猫画家への歩み④

作品

猫画を描くこと3作品。
ここまで白と黒でモノトーン調の猫ばかり描いてきたので、
有彩色の猫を描きたいと思い始めていました。

そこで選んだのが、今回のモデルの赤毛の成猫。
アビシニアンだったと思います。
凛とした立ち姿が格好良く、
毛並みも美しかったため
多めに写真を撮っていたことを覚えています。

絵の中で背景は描いていませんが、
実際には窓から外を眺めています。
しかし、背景を一切描かなかったのは失敗だったと反省しています。
前作と違って接地面をあまり描いていないため状況がわかりづらく、
まるで宙に浮いているようで不安定な印象を受けます。
さらに言えば、余白が広すぎて
「未完成なのではないか?」とさえ思ってしまいそうです。

当時は「猫を描く」ことにしか興味がなかったため、
背景を描こうとは初めから考えていませんでした。
しかし今ならば、接地面はもちろん視線の先の風景まで描きます。
この状態では絵の中に情報が少なすぎて、
見る人が何も感じないと思うからです。

「この猫はどこにいるんだろう?」
「何を見ているんだろう?」
「何を考えているんだろう?」
そういった疑問にしっかり答えることも正解の一つであり、
この作品に関して言えば、もっと情報を追加すべきだったと思います。

ここまで猫作品を4枚描いてきましたが、
制作時間が最も短い「我が家の王女様Ⅰ」が一番のお気に入りでした。
「自分の飼い猫だから、愛着がある」というのも理由の一つではありますが、
他の3作品にない魅力があるのも確かだと思っていました。
ここからは、小手先の技術の追求だけではなく、
「絵自体の魅力を高める必要がある」、そう感じ始めていました。

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